「一緒に仕事をするなら、どんなチームがいいか」──発注する側に立つと、その問いはいつも切実だ。太田は長く、その“選ぶ側”にいた。大手SIerで最大30名規模のプロジェクトを束ね、エンドクライアントや1次の視座からプロジェクト全体を見渡し、数多くのパートナーと組んできた。
そんな太田が、発注側としてパートナーに選び、信頼を重ね、やがて自ら加わったのがテンファイブだった。今回は、発注する側を知り尽くしたPMの視点から、「顧客が本当に求めるもの」と「任せられるチームの条件」を聞く。現場の等身大の視点を入れるため、若手エンジニアの舩越も同席し、率直な問いを投げた。
※ 太田の入社の経緯は、前回のインタビュー「まだ小さい会社だけど、楽しくやってるよ」もあわせてどうぞ。
プロフィール
太田 康善(おおた やすよし)/PL 兼 PMO
新卒で国内有数の大手SIerに入社し、PLとして最大30名規模のチームマネジメントを経験。エンド/1次の立場で数多くのパートナーと協業。2023年にテンファイブへ入社し、現在はPL・PMOとして複数ラインのプロジェクトを束ねる。
舩越 洋希(ふなこし ひろき)/エンジニア
IT系専門学校を経て2025年4月にテンファイブへ新卒入社。現在は大手銀行のシステム保守・開発を担当し現場経験を積んでいる。
「顧客が本当に求めているもの」を、掴む
── エンドクライアント、1次、2次、3次。すべての立場を見てきた太田さんが、プロジェクトで最も意識していることは?
太田 やはり、お客様が何を求めているか。これはお客様ごとに違うので、そこを正確に把握して動くところですね。「発注元の代わりに、自分でどんどん各所と連絡を取って進めてほしい」というお客様もいれば、「そこは担当がやるので、開発に専念してほしい」というお客様もいる。だからまず、自分の立ち位置と、求められている役割を握っておく。
太田 そのうえで、契約以上のところ。現場が長いと、お客様側の担当者が経験的に足りていない場面にも出会います。「このタイミングで作らなきゃいけないものができていない」という時には、こちらから“葉っぱをかけて”「そろそろ話しておかないと、チームで話がまとまりませんよ」と促す。現場のルールの継承も、お客様だけだと難しいので、パートナーとして引き取っていく。
与えられた仕事をやるのは、どこの会社も同じで最低限。そこにプラスして何を返せるか。それが、自分たちがそこにいる意味になる。
── 太田

プロジェクトは、“見えないところ”で動いている
── そばで見ていて、PMってどんなことをしている人だと思いますか?(舩越さんへ)
舩越 進捗管理はもちろんですが、そばで見ていて「大変だな」と感じるのは、関係者との調整だったり、何かが起きる前のリスクヘッジだったり。プロジェクト全体を見ながら、人と仕事を動かす──そういうイメージがあります。
太田 目に見えるものは、文字通りのマネジメント。スケジュールを引き、進捗を管理し、品質を評価して、リリースに値するかを整理して報告にまとめる。お客様側のPMなら予算管理も入る。ただ、PMは目に見えているものだけをやっていればいいわけではない。裏方の調整こそ、一番大事だったりします。
太田 プロジェクトが大きくなると、まずチーム間の調整。基盤を作るチーム、アプリを作るチーム──どういう順番で、誰が何を確認するのか。ここを整えないと、「スケジュールは引いたけど連絡が来なかったからやっていません」と、統制が取れなくなる。さらにメンバー単位で、特性に応じて割り振る。あえて不得意な領域を任せて育てる時は、得意な人をサポートに付けて、困ったらすぐ解決できるようにする。そこまで含めて設計して、運営する。
【体制の規模感】20〜27名規模/1ライン5〜10名のラインを3〜5本/担当チーム単位で年間数千万円規模の予算。短いものは2〜3週間、大きいものは1年以上。“森全体”を見る俯瞰の射程は、こうした現場で培われた。
目に見えないところ──裏方としての調整が、実は一番大事だったりします。
── 太田
「迷わせない」から、遅れが“見える”
── いくつもの現場を見てきた太田さんにとって、良いPMと、“こうはなりたくない”PMの違いは?
太田 良いPMは、指示や目指すものが明確で、メンバーが迷わない形になっていること。WBSで進捗が一目で分かるようにするなど、とにかく“迷わない形”を心がけます。逆に困るPMはその逆で、全体を見えない形にしてしまう。だから遅れが出た時に、どこが問題なのか分からない。
太田 共通するのは、目の前のことばかりに目が向いて、行き当たりばったりになっていること。目の前の遅れさえ直ればいいと動いていて、実はその裏でもっと大きな遅れが広がっている、というような。(笑いながら)私も自分にブーメランを刺しながら話していますけどね。
迷わせないチームは、発注する側にとっては「問題が早い段階で見える」チームでもある。手を打てるうちに、リスクが表に出てくる。
メンバーが迷わない形になっているか。良いPMは、突き詰めるとそこだと思っています。
── 太田
「自分の領域じゃない」と、言わないチーム
── 太田さんは発注する側として、テンファイブをパートナーに選び、やがて自ら加わりました。“選ぶ側”から見て、テンファイブはどんなチームだったのでしょう。
太田 まず、お願いしたことは、しっかり結果として出してくれる。そのうえで、私自身が現場で危ないと感じる前に、「ここ、大丈夫ですか」とウィークポイントになりそうなところを、先に声を上げて教えてくれる。困っているところがあれば、一緒になって動いてくれる。
太田 何より、「これは自分の領域じゃないので」という態度ではなく、しっかり一緒に考えてくれるんです。与えられたことをやるのはどこの会社も同じ。そこから一歩踏み込んで、プロジェクト全体を見て動いてくれる。だから座組みとして一番良かったし、成果としても一番上げられた。実は、今の現場のラインも、私から声をかけて一緒に立ち上げたものなんです。
【発注側の視点】お願いしたことを着実に。プラスして、リスクを先に声に出す。領域を越えて、一緒に考える。──それが、太田が“発注する側”として評価し、最終的に自ら加わった理由だった。
「自分の領域じゃない」ではなく、一緒に考えてくれる。だから、一番成果を上げられたチームでした。
── 太田

風通しのよさも、チームの強さのひとつだ
成果を、一人に頼らない
“任せられる”を一過性で終わらせない──太田がこだわるのは、知見を特定の個人でなく、組織に根づかせることだ。
太田 若手には「自分でやってみる」を増やしてほしいし、身につけたことを人にも教えられるようになってほしい。一番の成長は、人に教える時なんです。そうやって個人だけでなく、周りも一緒にレベルアップしていく。属人化せず、チームとして成果を出し続けられる。だからこそ、継続して任せていただける。会社の未来も、そこにあると思っています。
一番の成長は、人に教える時。個人だけでなく、周りも一緒に伸びていく好循環をつくりたい。
── 太田
テンファイブと、プロジェクトを動かしませんか
発注する側の視座を知るメンバーが、顧客理解・俯瞰・調整で“任せられる”を形にする。金融システムを中心に、上流工程から一緒に動けるパートナーをお探しの企業さま──「自分の領域じゃない」と言わずに、プロジェクトの成功まで一緒に考えるチームです。まずはお気軽にご相談ください。(エンジニアとして加わりたい方の採用も歓迎しています。)