はじめに
Javaプログラミングを始めるうえで避けて通れないのが「変数」と「定数」の理解です。
これらはコードを書く際の基本中の基本であり、正しく使い分けることで、読みやすく、保守性の高いプログラムを作成することが可能になります。
この記事では、Javaにおける変数と定数の宣言方法から、実際のコードでの使い方までをわかりやすく解説していきます。

変数とは?
● 変数の定義
変数とは、データを一時的に保存するための名前のついた箱のようなものです。プログラムの中で値を保持し、必要に応じて参照・変更が可能です。
Javaでは、変数を使う前にその型(データ型)を明示的に宣言する必要があります。
● 変数の宣言と初期化
変数の基本的な宣言と初期化の形式は以下の通りです:
int num = 10;
上記のコードでは以下の意味があります:
int
:整数型(Integer)を指定num
:変数名= 10
:初期値10を代入
Javaでは型安全性が重視されるため、変数の型を指定することによって、誤ったデータの代入をコンパイル時に防ぐことができます。
● よく使われるデータ型の一覧
データ型 | 説明 | 例 |
---|---|---|
int | 整数 | int count = 5; |
double | 小数(倍精度) | double pi = 3.14; |
boolean | 真偽値 | boolean flag = true; |
String | 文字列(クラス型) | String name = "Java"; |
定数とは?
● 定数の定義
定数とは、一度値を代入すると変更できない変数です。
Javaでは、final
キーワードを使って定数を宣言します。
final double PI = 3.14;
final
:この変数は定数であることを宣言PI
:定数名(通常はすべて大文字で表記)= 3.14
:初期値を代入(必須)
定数を使うことで、再代入のバグを防止できるほか、意味のある名前をつけて可読性を高めることができます。
● 定数の命名規則
Javaにおける定数は、一般的に以下のように命名します:
- すべて大文字
- 単語の区切りはアンダースコア(
_
)
例:
final int MAX_USER_COUNT = 100;
このように命名することで、「この値は定数である」ということが一目でわかるようになります。
変数と定数の使い分け
種類 | 値の変更 | 用途 |
---|---|---|
変数 | 可能 | ユーザー入力値、処理途中の一時保存など |
定数 | 不可 | 税率、円周率、最大件数など変更されない値 |
定数化できる値はできるだけ定数にすることが、可読性と保守性の高いコードを書くうえで重要です。
実践:変数と定数を使った簡単なプログラム
以下は、商品の価格と消費税率を使って、税込価格を計算するJavaプログラムの例です。
public class PriceCalculator {
public static void main(String[] args) {
final double TAX_RATE = 0.1; // 定数
int price = 1000; // 変数
double tax = price * TAX_RATE;
double total = price + tax;
System.out.println("税込価格は: " + total + "円です");
}
}
このように、TAX_RATEは固定値としてfinalで宣言し、可変なprice
は変数として扱います。
まとめ
Javaにおける変数と定数の違いを正しく理解することは、プログラムの品質を大きく左右します。
- 変数:値を必要に応じて変更できる
- 定数:値を変更できず、プログラムの意図を明確にするのに役立つ
日々のコーディングでも、意識的に使い分けることで、エラーの少ない堅牢なコードを書くことができるようになります。