1. はじめに
チーム開発では、タスクの可視化や進捗管理が重要です。GitHubは、IssuesやProjectsを活用することで、開発タスクを効率的に管理できます。特に、Issuesを使ったタスク管理(ラベルやマイルストーンの活用)、GitHub Projectsでのカンバンボード作成・運用は、プロジェクトの進行をスムーズにします。
また、IssueテンプレートやPull Requestテンプレートの設定により、開発の標準化を進められます。さらに、ワークフロー自動化(プロジェクトへの自動追加など)を組み込めば、手作業を減らし、開発の生産性を向上できます。
本記事では、GitHubを活用したタスク管理のベストプラクティスを詳しく解説します。

2. Issuesを使ったタスク管理
2.1 Issuesとは?
GitHubのIssuesは、タスクやバグを管理するための機能です。個々のIssueを作成し、進捗を管理することで、チーム全体で作業を明確化できます。
2.2 Issueの作成と基本管理
Issueは、以下の手順で作成できます。
- リポジトリの「Issues」タブを開く
- 「New issue」ボタンをクリック
- タイトルと内容を記入
- 適切なラベルやマイルストーンを設定(詳細は後述)
- 「Submit new issue」をクリックして作成
2.3 ラベルを活用した分類
ラベルを使用すると、Issueをカテゴリごとに分類できます。
例えば、以下のようなラベルを設定すると、管理がしやすくなります。
ラベル名 | 用途 |
---|---|
bug | バグ報告 |
feature | 新機能の提案 |
documentation | ドキュメント関連 |
high priority | 優先度の高いタスク |
help wanted | 他の開発者の支援が必要 |
ラベルを追加するには、Issueの右側にある「Labels」セクションから適用できます。
2.4 マイルストーンを活用した進捗管理
マイルストーンを使うと、複数のIssueをまとめて管理し、期日を設定できます。
マイルストーンの作成方法
- リポジトリの「Issues」タブを開く
- 「Milestones」タブをクリック
- 「New milestone」を選択
- タイトル(例: "v1.0 Release")と期日を設定
- 「Create milestone」をクリック
3. GitHub Projectsでカンバンボードを作成・運用
3.1 GitHub Projectsとは?
GitHub Projectsは、カンバン方式でタスクを視覚的に管理できるプロジェクトボードです。
IssueやPull Requestと連携し、開発の進行状況をリアルタイムで確認できます。
3.2 カンバンボードの作成
- リポジトリの「Projects」タブを開く
- 「New project」をクリック
- テンプレート(Board, Tableなど)を選択
- カラム(To Do, In Progress, Done)を設定
- Issueをドラッグ&ドロップで管理
3.3 カスタムワークフローの活用
カンバンボードは、以下のようなカスタマイズが可能です。
- 自動カラム移動:
Issueのステータス変更に応じてカラムを移動 - フィルタ機能:
特定のラベルや担当者でフィルタリング - プロジェクトビューの切り替え:
ボードビュー、テーブルビューを用途に応じて変更
4. IssueテンプレートとPull Requestテンプレートの設定
4.1 Issueテンプレートの設定
Issueのフォーマットを統一するために、.github/ISSUE_TEMPLATE/
ディレクトリにテンプレートを作成します。
例: バグ報告テンプレート(bug_report.md)
---
name: 🐛 バグ報告
about: バグの詳細を記入してください
labels: bug
---
### 🐞 バグの概要
どのような問題が発生しましたか?
### ✅ 再現手順
1. **手順 1**
2. **手順 2**
3. **手順 3**
### 📷 スクリーンショット(任意)
スクリーンショットがあれば添付してください。
### 💻 環境情報
- OS: [例: Windows 11, macOS Ventura]
- ブラウザ: [例: Chrome, Firefox]
4.2 Pull Requestテンプレートの設定
Pull Requestのフォーマットを統一するために、.github/PULL_REQUEST_TEMPLATE.md
を作成します。
例: PRテンプレート
## ✨ 概要
このPRの目的を記入してください。
## 🔧 変更内容
- [ ] 修正点1
- [ ] 修正点2
## ✅ チェックリスト
- [ ] コードレビューを依頼済み
- [ ] CI/CDが成功している
- [ ] ドキュメントを更新済み(必要な場合)
5. ワークフロー自動化(プロジェクトへの自動追加など)
GitHub Actionsを活用すれば、Issueの作成やPull Requestの発行時に、プロジェクトへ自動で追加できます。
5.1 Issue作成時にプロジェクトへ自動追加
name: Auto Add to Project
on:
issues:
types: [opened]
jobs:
add_to_project:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Add issue to project
uses: actions/add-to-project@v1
with:
project-url: https://github.com/orgs/my-org/projects/1
github-token: ${{ secrets.GITHUB_TOKEN }}
5.2 PR作成時にラベルを自動適用
name: Auto Label PRs
on:
pull_request:
types: [opened]
jobs:
label_pr:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Apply Labels
uses: actions/labeler@v4
with:
repo-token: ${{ secrets.GITHUB_TOKEN }}
configuration-path: .github/labeler.yml
6. まとめ
本記事では、GitHubを活用したチームのタスク管理方法を解説しました。
✅ Issuesを使ったタスク管理(ラベル、マイルストーン)
✅ GitHub Projectsでカンバンボードを作成・運用
✅ IssueテンプレートとPull Requestテンプレートの設定
✅ ワークフロー自動化(プロジェクトへの自動追加など)
GitHubの強力な管理機能を活用し、開発チームの生産性を向上させましょう!