ローリングアップデートとは?システムを止めずに安全に更新する方法

はじめに

システムの運用において、アプリケーションやサービスを停止せずに新しいバージョンへ更新することは重要です。特に、クラウド環境やコンテナ技術が普及する中で、「ローリングアップデート(Rolling Update)」は一般的なデプロイ手法として広く使われています。

本記事では、ローリングアップデートの仕組みやメリット、実際の運用例について詳しく解説します。

ローリングアップデートとは?

定義

ローリングアップデートとは、システム全体を一度に停止することなく、段階的に新しいバージョンへ更新していく手法のこと です。

複数のサーバーやコンテナを順番に更新することで、サービスを提供し続けながらソフトウェアのアップデートを実施できます。

ローリングアップデートの仕組み

更新の流れ

ローリングアップデートは、次のようなステップで行われます。

  1. 新バージョンのデプロイ開始
    • 最新のアプリケーションイメージやコードを準備
  2. 一部のインスタンスを新バージョンへ更新
    • 負荷分散を考慮しながら、サーバー群の一部をアップデート
  3. 更新したインスタンスの動作確認
    • 正常に動作しているかを監視
  4. 問題がなければ、次のインスタンスを更新
    • 上記のプロセスを繰り返す
  5. すべてのインスタンスが更新完了
    • システム全体が新バージョンへ移行

このように、一部ずつ更新を行うことで、万が一問題が発生しても影響を最小限に抑えながらロールバックできます。

ローリングアップデートのメリット

ローリングアップデートを採用することで、以下のような利点があります。

システムを停止せずに更新できる

従来の「全停止 → 更新 → 再起動」といった方法とは異なり、ユーザーへの影響を抑えながらアップデートを進めることが可能です。

問題発生時のリスクが低い

一部のインスタンスだけを更新するため、もしバグや不具合が見つかった場合でも、すぐにロールバック(旧バージョンへ戻す)ができます。

スケールしやすい

クラウド環境やコンテナオーケストレーションツール(例:Kubernetes)と組み合わせることで、柔軟なスケーリングが可能です。

ローリングアップデートの注意点

メリットが多いローリングアップデートですが、適用時には以下のポイントに注意が必要です。

互換性の確保

新旧バージョンが一時的に混在するため、データ構造やAPIの互換性を維持する設計が求められます。

負荷管理

更新中は一部のインスタンスが停止するため、負荷分散の設定やスケーリング戦略を適切に調整することが重要です。

ロールバック手順の準備

万が一、問題が発生した場合に迅速にロールバックできるよう、旧バージョンのデプロイ手順も用意しておく必要があります。

ローリングアップデートの具体的な実装例

Kubernetes におけるローリングアップデート

Kubernetes では、DeploymentrollingUpdate ストラテジーを利用することで、簡単にローリングアップデートを実装できます。

kind: Deployment
metadata:
  name: my-app
spec:
  replicas: 3
  strategy:
    type: RollingUpdate
    rollingUpdate:
      maxUnavailable: 1
      maxSurge: 1
  template:
    metadata:
      labels:
        app: my-app
    spec:
      containers:
      - name: my-app-container
        image: my-app:2.0

この設定では、以下のような挙動になります。

  • maxUnavailable: 1 → 更新中に最大1つのインスタンスを停止
  • maxSurge: 1 → 新バージョンのインスタンスを最大1つ追加

このように設定することで、負荷を分散しながら安全にアップデートできます。

まとめ

ローリングアップデートは、システムを停止せずに安全に更新できる手法 であり、特にクラウドやコンテナ環境で広く使われています。

メリット

  • システム停止なしで更新可能
  • 問題発生時のリスクが低い
  • 柔軟なスケール対応が可能

注意点

  • 互換性を維持する設計が必要
  • 更新中の負荷管理を考慮する
  • ロールバック手順を事前に準備

特に Kubernetes などの最新技術と組み合わせることで、より効率的なデプロイ が実現できます。
適切な運用を行いながら、システムの信頼性と可用性を高めていきましょう!

採用情報 長谷川 横バージョン
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