Webサイト基礎(1) ~インターネットとWebの基礎~

私たちの生活に欠かせない存在となったインターネット。

Webサイトで情報を検索したり、SNSでつながったり、動画を楽しんだりする日々を送る中で、「そもそもインターネットやWebサイトがどのように動いているのか」を考えたことはありますか?

例えば、URLを入力するとどうしてそのWebページが表示されるのか、なぜ「https」の付いたサイトは安全と言われるのか。

そして、Webサイトは一体どのように作られているのか? こうした疑問に答えられる人は意外と少ないものです。

このカリキュラムでは、インターネットやWebの仕組みを分かりやすく解説し、初心者でも無理なく理解できるように構成しています。

特に、「ドメイン」「HTMLやCSSとJavaScriptの役割」「フロントエンドとバックエンドの違い」など、Web開発やITの基礎となる重要なテーマを取り上げます。

これを学ぶことで、ただ「使う側」だったあなたが「仕組みを理解し、作る側」への第一歩を踏み出すきっかけになるでしょう。

さあ、一緒にWebの世界を解き明かしていきましょう!

インターネットの仕組み

インターネットの誕生と歴史

インターネットの起源は1960年代にさかのぼります。

当時、アメリカ国防総省の研究機関ARPA(Advanced Research Projects Agency)が中心となり、軍事的利用を目的としたネットワーク「ARPANET」を開発しました。ARPANETは、コンピュータ同士を接続し、効率的に情報を共有するための仕組みとしてスタートしました。

1970年代に入り、TCP/IPプロトコル(後述)が開発され、これにより異なるネットワーク同士が統合される基盤が整いました。

1980年代には学術機関での利用が広がり、1990年代には一般ユーザー向けの商用インターネットが登場します。

この時期に登場したのが、現在も私たちが日常的に使用している「World Wide Web(WWW)」です。

Webの発明者ティム・バーナーズ=リー氏が提唱したHTMLやHTTPの仕組みが、今日のWebサービスの基礎を築きました。

インターネットはどのように情報をやり取りしているのか

インターネットは、世界中のコンピュータやネットワークを接続する「ネットワークのネットワーク」です。

その基盤となる仕組みは以下のように動作します。

  1. データの分割(パケット化)
    送信されるデータは、パケットと呼ばれる小さなデータの単位に分割されます。
    この分割により、大量のデータが効率的に転送可能になります。
  2. ルータを通じたルーティング
    パケットは、送信元から受信先に向けて最適な経路を選びながら転送されます。
    経路選択を行うのはルータと呼ばれる機器で、各パケットが異なるルートを通ることもあります。
  3. プロトコルによる再構築
    受信側では、分割されたパケットを元のデータに再構築します。
    プロトコル(通信規約)が、パケットの順序やエラーを管理します。

パケット通信とプロトコルの基本

インターネット通信の要は「パケット通信」です。

これは、データを小さなパケットに分割し、それをネットワーク上で転送する仕組みです。

以下がその基本です。

  1. パケットの構造
    各パケットには、送信元アドレス、宛先アドレス、データの一部、およびエラーを検出するための情報が含まれています。
  2. プロトコル(TCP/IP)
    TCP/IPは、インターネット通信の標準的なプロトコルです。
  3. TCP(Transmission Control Protocol):
    データの分割と再構築、エラー管理を担当。
  4. IP(Internet Protocol):
    パケットの転送経路(ルーティング)を担当。

HTTPとHTTPSの違い

HTTPとは? (役割と仕組み)

HTTP(HyperText Transfer Protocol)は、WebブラウザとWebサーバー間でデータをやり取りするためのプロトコルです。

主な特徴は以下の通りです。

リクエストとレスポンスの仕組み

  • ユーザーがブラウザでURLを入力すると、HTTPリクエストがWebサーバーに送信されます。
  • Webサーバーはリクエストを受け取り、レスポンスとしてHTMLや画像などのデータを返します。

状態を持たない通信(ステートレス)

HTTPはステートレスプロトコルであり、リクエストとレスポンスの間に状態を保持しません。

そのため、毎回新しい接続として通信を扱います。

HTTPSの重要性 (SSL/TLSを使ったセキュリティ強化)

HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)は、HTTPにSSL/TLS(Secure Sockets Layer / Transport Layer Security)を組み合わせたプロトコルです。

これにより、以下のセキュリティ強化が実現されます。

1. データの暗号化

送信されるデータは暗号化されるため、第三者が内容を盗み見することを防ぎます。

これにより、パスワードや個人情報の保護が可能です。

2. データの改ざん防止

デジタル署名により、通信内容が途中で改ざんされていないことを保証します。

3. 相手の認証

SSL/TLSにより、通信相手(サーバー)が信頼できる存在であることを確認できます。
これにより、フィッシング詐欺のリスクが軽減されます。

HTTPからHTTPSへの移行が推奨される理由

近年、HTTPSの導入がほぼ必須となっています。その理由は以下の通りです。

1. GoogleによるSEO優遇

GoogleはHTTPSを使用しているWebサイトを優遇しており、検索結果での上位表示が期待されます。

2. ブラウザの警告表示

現在、多くのブラウザはHTTPサイトを「保護されていない通信」として警告を表示します。

これにより、ユーザーの信頼を損ねる可能性があります。

3. セキュリティリスクの増大

サイバー攻撃が高度化している現代において、HTTPSは基本的なセキュリティ対策となっています。
未対応のサイトは、ユーザー情報漏洩や信頼失墜のリスクを抱えます。

まとめ

インターネットとWebの仕組みを理解することは、デジタル時代を生き抜くための必須スキルです。
本記事では、インターネットの基礎、パケット通信の仕組み、そしてHTTPとHTTPSの違いを詳しく解説しました。
特に、セキュリティが重要視される現代において、HTTPSへの移行は避けて通れない課題です。
この記事を通じて、インターネットの背後にある技術の理解が深まり、より安全で効率的なWeb利用のヒントになれば幸いです。

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