Notion × GitHub Projectsでプロジェクト管理する方法

現代のソフトウェア開発において、プロジェクト管理は成功を左右する重要な要素です。しかし多くのチームが直面しているのが、「情報の分散」と「管理ツールの乱立」による非効率化です。たとえば、開発者はGitHubでコードを管理し、プロジェクトマネージャーはNotionで要件や進捗を記録する──といった具合に、役割が分断されることで情報の一貫性が失われ、結果としてプロジェクトが混乱するケースも少なくありません。

そこで注目したいのが、NotionとGitHub Projectsを連携させたハイブリッドなプロジェクト管理手法です。この組み合わせによって、ドキュメント管理の柔軟性と、コード中心のタスク管理を両立させることができ、チーム全体の透明性と生産性を大きく向上させることが可能です。

それぞれのツールの特徴と最適な役割分担

Notionの強みと活用場面

Notionはブロックベースの柔軟なワークスペースであり、プロジェクトの「構想・設計」フェーズにおいて特に有効です。

主な用途:

  • プロジェクト企画・要件定義の整理
  • 技術仕様書や設計書の作成
  • ナレッジ共有・Wiki管理
  • 議事録・議題・ToDoの整理
  • プロジェクト全体のロードマップ可視化

直感的なUIと柔軟なデータベース機能により、非エンジニアを含む全メンバーが情報にアクセスしやすく、チーム全体の認識統一を支援します。

GitHub Projectsの強みと活用場面

GitHub Projectsは、開発作業の「実行・追跡」に最適なタスク管理ツールです。GitHub IssueやPull Requestと直接連携し、開発者が違和感なく自然に利用できるのが特長です。

主な用途:

  • 開発タスクやチケットの管理
  • Pull Request/コードレビューの進捗追跡
  • バグ報告・修正対応
  • リリースに向けたマイルストーン管理

コミットやPull Requestがプロジェクトボードと連動して可視化されるため、開発の進捗状況をリアルタイムで確認できます。

効果的な連携方法

基本的な連携フロー

1. 企画フェーズ(Notion主導) まずNotionでプロジェクトページを作成し、目的、要件、スケジュール、技術選定などを整理します。この段階でGitHub Projects側にも基本構成(ラベル、カラム、マイルストーンなど)を作成しておきます。

2. タスク分解フェーズ(両ツールを連携) 要件や仕様をGitHub Issuesに分解・移行し、各タスクを開発者にアサインします。NotionとGitHubで同一のタスク名・IDを共有することで、クロス参照しやすくなります。

3. 開発フェーズ(GitHub Projects主導) 開発の実作業はGitHub Projects中心に進行。Issue→PR→レビュー→マージの流れをGitHub内で完結させつつ、進捗は自動的にカンバンボードに反映されます。

4. 振り返りフェーズ(Notion主導) プロジェクト完了後はNotion上でレビュー・振り返り・改善点を記録。GitHub上の成果物や統計を参照しながら、ドキュメントとして再利用できる形式で残します。

自動同期・自動化のテクニック

GitHub API × Notion API × Zapier/Make GitHub Issueのステータス変更をトリガーとして、Notionデータベースの更新やPRマージ時のNotion記録更新を自動化できます。ZapierやMakeを用いたノーコード連携で基本的な自動化は十分に可能です。

カスタムBot × GitHub Actions より細かく制御したい場合は、Node.jsやPythonでGitHub ActionsとNotion APIを組み合わせたBot開発が現実的です。例えば、PRに紐づくNotionタスクにステータスを自動反映したり、スケジュール遅延をSlack連携で通知する仕組みなどが実装できます。

運用を成功させるための3つのポイント

1. 明確な役割分担を定義する

「設計・要件管理はNotion」「タスクと実装管理はGitHub」といったように、役割の棲み分けをルール化しておくことで、混乱を防げます。両ツールの特性を活かすため、何をどちらで管理するかを明確に決めておくことが重要です。

2. 週次などの定期メンテナンスを入れる

連携フローが形骸化しやすいため、プロジェクトに応じて連携ルールの見直し・改善を定期的に実施する体制が重要です。プロジェクトの進行に合わせて、連携ルールの見直しや自動化スクリプトの調整を定期的に行うことで、長期的な運用を成功させることができます。

3. チーム全体にワークフローを浸透させる

どれほど優れたフローでも、現場が理解していなければ形だけになります。目的・背景の共有と使い方トレーニングをセットで行いましょう。新しいワークフローの導入には、チームメンバーの理解と協力が不可欠です。両ツールの使い方だけでなく、連携の意図や効果についても説明し、全員が同じ方向を向いて作業できる環境を整えることが重要です。

まとめ

NotionとGitHub Projectsの連携によって、プロジェクトの上流(設計・構想)から下流(実装・追跡)まで一貫して管理できる基盤を構築することが可能です。

重要なのは、以下の3点です。

  1. ツールの特性を理解し、役割分担を明確にする
  2. 自動化やBotで情報の重複や漏れを防ぐ
  3. チーム全体にその設計思想を伝えること

この手法を導入することで、情報の分散を防ぎ、チーム全体の可視性を向上させ、最終的にはプロジェクトの成功確率を大幅に高めることができるでしょう。小規模なプロジェクトや副業・小チーム開発から試し、チームに合った形に育てていくのが理想的です。

採用情報 長谷川 横バージョン
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