画像認識とは

どうもエンジニアのYです。

2019年から流行した新型コロナウィルス感染症の影響で、顔認証技術を利用した「サーモカメラ」や、店員とお客の接触を避けるための「顔決済システム」、顔認証を利用した勤怠管理システムなど、「自然言語処理」の盛り上がりと同時に、「画像認識技術」というものにも世間の注目が集まっています。

そこで今回は、その「画像認識技術」について、初心者にもわかりやすくまとめていきます。

目次

画像認識の基本

近年、AIや機械学習の進化とともに、画像認識技術が注目を浴びています。スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、日常の中で数多くの画像が生成・共有されています。これらの画像を有効活用するための鍵が、画像認識技術です。

画像認識技術は、膨大な顔写真やイラストなどの画像データをもとにコンピューターを通して計算処理を施し学習させ、その学習結果をもとに、画像をアウトプットしたり、画像の識別を行ったりする技術になります。

最新の画像認識技術とその進化

画像認識技術は日々進化しており、特に深層学習の登場により、その精度は飛躍的に向上しています。畳み込みニューラルネットワーク (CNN) は、画像認識のための代表的なモデルとして広く知られています。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、画像や音声などのグリッド状のデータを処理するために設計されたディープラーニングのモデルの一種で、画像認識技術の開発において非常に有効な手段となっています。

ニューラルネットワークについては前回の記事で詳しく説明をしていますので、よければそちらをご覧ください。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の構成は以下のようになっています。

1. 主要な構成要素

  • 畳み込み層(Convolutional Layer): インプットデータに対してフィルタ(またはカーネル)をスライドさせながら、局所的な特徴を抽出します。例えば、画像のエッジやテクスチャなど。
  • 活性化関数(ReLUなど): 畳み込みの結果に非線形変換を適用し、モデルの表現力を高める。
  • プーリング層(Pooling Layer): インプットデータをダウンサンプリングし、計算量を減らしながら重要な情報を保持する。
  • 全結合層(Fully Connected Layer): 特徴を組み合わせて最終的な出力を生成する。例えば、画像分類タスクでは、どのカテゴリにその画像が属するかを決定します。(例:犬猫判別など)

2. 特徴

  • パラメータの共有: 同じフィルタが異なる部分に適用されるため、パラメータの数が大幅に削減される。
  • 局所受容野: 畳み込み層では局所的な領域に焦点を当てることで、空間的な階層構造を学習する。
  • 変形に対する堅牢性: CNNは画像の小さな変形に対しても堅牢であり、オブジェクトの位置が少し変わっただけで認識が難しくなることがない。

実際の事例紹介

現在、世の中には様々な画像認識技術を使用したサービスが出てきています。

ここでは、その中でも有名なサービスをいくつか紹介していきます。

・IPhone「Face ID」

Iphone Xから搭載された「Face ID」も、画像認識技術を使用したサービスの一つです。

どのくらいの規模のデータが使用されているかはわかりませんが、Appleが保有する様々な画像データを元に学習させたモデルを利用し、全世界のユーザーの顔でそれぞれのIphoneを管理できるようになっています。

・DALLE3

最近、ChatGPT(有料版)に搭載された画像生成AIモデルです。

120億のパラメータをもつGPT-3を元に説明文から画像を生成するように学習させたモデルです。

これを使用することで、誰でも気軽にイラストや画像、動画などの生成ができるようになりました。

ちなみに、DALLE3(ダリE3)の名前は画家のサルバドール・ダリとピクサー映画WALL・Eに由来しています

事業での画像認識の活用ポイント

昨今のAI開発、AIソリューションブームに乗っかっていこうと考えている企業様は多いと考えています。

そこで、ここではAIソリューション開発における注意点・ポイントを紹介いたします。

1.明確な目的設定: 何のために画像認識を使用するのかを明確にする。

2.データの質の確保: 高精度な画像認識を実現するためには、質の高いデータの収集が必要。

3.適切な技術選択: 目的に合わせて、最も適した技術やアルゴリズムの選定が求められる。

特に3に関しては、画像処理だけでなくAI開発全体に言えることで、いくら優秀なデータや量が集まっても、学習させるためのニューラルネットワークの実装を間違えてしまったらAIを作ることはできません。

そのため、開発を行う際には先行研究など国内外問わず論文の査読や、目的に応じた学習方法の選定、学習率などのハイパーパラメータの設定が非常に重要になってきます。

AIソリューション導入のステップ

AIソリューションの導入は主に以下のような形で行なっていきます。

1.目的の明確化: 事業や社会、顧客における課題やニーズを特定する。(娯楽施設等では群衆分析など)

2.データの収集・整理: 高品質なデータを多く収集し、前処理を行う。(データの水増しやノイズの除去など)

3.適切な技術の選定: 事業の目的やニーズに応じて技術を選ぶ。(自然言語処理なのか、画像認識なのか、それとも強化学習なのか)

4.システムの構築・運用: 実際にシステムを構築し、運用する。(ニューラルネットワークの実装、学習、その他サービスに応じたコーディング)

5.検証・改善: 導入後の結果を検証し、改善点を見つける。(データの収集や、モデルのファインチューニングなど)

今後の画像認識技術の展望

AI技術の進化やコンピューティング能力の向上に伴い、さらに高精度な画像認識が期待されています。

この先予想されているサービスとしては以下のようなものがあります。

・無人コンビニ

・顔認証ロック(玄関や自転車の鍵など)

・資料作成(画像の生成からテキスト出力などを一気に行う)

まとめ

このように画像認識技術は、多岐にわたる分野での応用が期待される革命的な技術になっています。

今後の世の中は考えられないスピードでAIソリューションが続々と開発されリリースされていくと考えられますが、その波に乗る企業様におかれましても、ユーザーとして利用する際にも、AIとの適切な距離感は保ちながら、あくまで人類の生活の質を上げてくれる一つのツールであるという認識を持っていかなければなりません。

なぜなら、AIは上手く使えば非常に人類にとって最強の補助ツールになり得ますが、逆に使い方を間違えれば様々な悪いことに利用もできてしまう、まさに危険と利便が紙一重の技術だからです。

実際、アメリカの大統領選ではAIの画像生成技術を利用した「Deep Fake」と呼ばれる技術を駆使し、AIが生成した偽の画像をあたかも本当のあった事実として敵陣営を貶めるつもりで使用したり、ウクライナとロシアの戦争では政治的なプロパガンダとしても使用されたりなど、世界的に有名な事件や出来事の中でも使用されています。

そのため、ますます発展するAI技術と人類がどう向き合い共存していくかが、現代社会の課題として大きな壁となっています。

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