Web開発に関わるなら、一度は耳にする「PHP」。
現在も多くのWebサイトで使われているこのプログラミング言語は、どのような歴史を持ち、どんな特徴や用途があるのでしょうか?
本記事では、PHPの誕生から現在までを振り返りながら、サーバーサイド言語としての役割や、実際の活用事例、さらに開発に欠かせない「LAMP環境」についてもわかりやすく解説します。

PHPの歴史と特徴
PHP(正式名称:PHP: Hypertext Preprocessor)は、1995年にラズマス・ラードフ氏によって開発されたスクリプト言語です。
当初は「Personal Home Page Tools」という名前で、自身のWebページを動的に更新する目的で作られました。
その後、オープンソースとして公開され、世界中の開発者によって改良されながら進化を遂げ、現在ではPHP8.x系が主流となっています。
PHPの主な特徴
- オープンソース:
無料で使用・配布が可能 - 動的Webページの生成が得意:
HTMLと組み合わせて柔軟なWebページを作成可能 - 豊富なライブラリとフレームワーク:
LaravelやCakePHPなど、近代的な開発にも対応 - データベース連携に強い:
MySQLやPostgreSQLと簡単に接続可能 - クロスプラットフォーム対応:
Windows・Linuxなど多様な環境で動作
サーバーサイド言語としてのPHPの役割
PHPは「サーバーサイドスクリプト言語」として分類されます。これは、ユーザーがWebブラウザでアクセスした際に、サーバー側でPHPが処理を行い、その結果をHTMLとして返すという動作原理です。
例えば、次のような処理が可能です:
- フォーム送信の内容を受け取って処理
- ユーザー認証(ログイン機能)
- データベースと連携して商品一覧を表示
- 掲示板やコメント投稿機能
JavaScriptがブラウザ側で動作する「フロントエンド言語」であるのに対し、PHPは主に「バックエンド(サーバー側)」を担います。
PHPの活用例
PHPは現在も多数のWebサービスで使用されています。代表的なものをいくつかご紹介します。
WordPress
世界のWebサイトの約40%以上がWordPressで構築されていると言われていますが、そのWordPress
の中核がまさにPHPです。
記事投稿やカスタム投稿、テーマ、プラグインの多くがPHPで記述されています。
ECサイト(オンラインショップ)
EC-CUBE
やMagento
など、日本国内外のECサイト構築ツールもPHPベースで開発されています。
ユーザー登録、商品表示、カート機能、決済連携などを動的に処理するのに適しています。
社内業務システム・管理画面
予約管理、売上集計、顧客情報管理といった業務用のWebアプリケーションでもPHPは多用されています。
スピーディーな開発とコスト面のメリットが大きな理由です。
LAMP環境とは?
PHPを使ったWebアプリケーションの開発・運用でよく出てくるのが「LAMP環境」です。
LAMPとは
LAMPは以下の頭文字を取ったものです:
- L:Linux(オペレーティングシステム)
- A:Apache(Webサーバー)
- M:MySQL(データベース)
- P:PHP(サーバーサイド言語)
これらを組み合わせることで、動的Webサイトを構築・運用するための安定した開発・運用基盤が完成します。
LAMPのメリット
- すべてオープンソースで、初期コストを抑えられる
- インフラとアプリケーションが密に連携できる
- 導入実績が多く、情報も豊富で学習しやすい
現在はNginxを使った「LEMP」環境や、クラウドを活用したサーバーレス構成も増えていますが、LAMPは今なお教育現場や中小企業で根強く使われています。
まとめ
PHPは1995年の誕生以来、Webの世界を支え続けてきたサーバーサイド言語です。
WordPressやECサイトをはじめとする多様な分野で活用されており、学びやすく、実務にも直結するスキルとして今も価値があります。
また、PHPを最大限活かすための開発基盤として「LAMP環境」を理解しておくことは、今後のステップアップにも大きく役立つでしょう。
次回は、実際にPHPを動かす環境構築や基本的な文法について解説していきます。お楽しみに!