データベース設計は、システム開発において非常に重要な工程です。特に「概念設計」は、データベースの基盤を築く初期段階であり、後の設計や開発の方向性を決定づけます。適切な概念設計が行われないと、プロジェクト全体に影響を及ぼし、後から修正するコストも大きくなります。本記事では、データベースの概念設計について、初心者にもわかりやすく解説します。
データベース設計の全体像
データベース設計は、システム開発の成功を左右する重要な工程です。適切に設計されたデータベースは、システムのパフォーマンス向上、保守性の確保、将来的な拡張性の担保などに直結します。まずは、データベース設計の全体像を理解しましょう。
概念設計、論理設計、物理設計の違い
データベース設計は、主に以下の3つの段階で進められます。それぞれの段階には明確な目的と役割があります。
設計段階 | 主な内容 | 成果物 |
---|---|---|
概念設計 | 業務で扱う情報の抽出と関係性の定義 | ER図、データモデル |
論理設計 | テーブル構造の定義、正規化 | テーブル定義書、リレーション定義 |
物理設計 | 実DBMSに合わせた最適化 | DDL、インデックス設計書 |
- 概念設計
- システムで扱う情報(エンティティ)とその関連性(リレーション)を洗い出す段階
- 業務の流れや要件を分析し、必要なデータモデルを抽出する
- 技術的な制約は考慮せず、純粋に業務の視点でデータを整理する
- ER図(Entity-Relationship Diagram)を作成し、データ構造を視覚化する
- 論理設計
- 概念設計で定義した内容をテーブル構造に変換する段階
- テーブル、カラム、キー、制約条件などを具体的に定義する
- データの正規化を行い、冗長性を排除する
- 特定のDBMSに依存しない、理想的なテーブル設計を行う
- 物理設計
- 論理設計を実際のデータベース管理システム(DBMS)上で実装するための段階
- 具体的なデータ型、ストレージ構成、インデックスなどを決定する
- パフォーマンスを考慮した最適化(デノーマライゼーションなど)を行う
- DBMSの特性を活かした設計を行う(MySQL、PostgreSQL、Oracleなど)
なぜ概念設計が重要なのか
概念設計は、データベース設計プロセスの最初のステップであり、後続の設計工程すべての基盤となります。その重要性は以下の点にあります:
- 業務要件の正確な反映 - 概念設計では業務フローを詳細に分析し、必要なデータ要素を漏れなく抽出します。この段階で業務の本質を捉えられなければ、どんなに技術的に優れたデータベースを構築しても、ビジネスニーズを満たすことはできません。
- 設計の一貫性確保 - 概念設計で明確なデータモデルを確立することで、後続の論理設計、物理設計において一貫性のある決定が可能になります。
- コミュニケーションツールとしての役割 - ER図などの概念モデルは、技術者と業務担当者の間のコミュニケーションを円滑にする共通言語となります。
- 設計変更コストの削減 - 概念設計の段階でデータ構造の問題を発見・修正することで、後工程での大幅な設計変更を防ぎ、開発コストを抑制できます。
「家を建てるときの基礎工事と同じで、データベースの概念設計はシステム全体を支える土台となります。この段階での丁寧な検討が、将来の拡張性や保守性を大きく左右します。」
データベース概念設計の基本ステップ
データベース概念設計は、システムで扱うデータの本質を捉え、構造化するプロセスです。以下のステップに沿って進めることで、効果的な概念設計が可能になります。
エンティティとリレーションの定義
概念設計の最初のステップは、システムで管理する情報(エンティティ)と、それらの間の関係性(リレーション)を明確にすることです。

- エンティティ(Entity)とは
- 業務で扱う実体や概念を表すもの
- データベースではテーブルに相当する
- 例:顧客、商品、注文、社員、部門、プロジェクトなど
- エンティティの特定方法
- 業務フローを分析し、重要な名詞を抽出する
- データとして管理する必要がある情報を洗い出す
- 独立して存在するものと従属するものを区別する
- リレーション(Relationship)とは
- エンティティ間の関連性を表すもの
- 業務上の関係や制約を反映する
- 例:「顧客が注文する」「社員が部門に所属する」など
- 多重度(カーディナリティ)の定義
- 1対1(One-to-One):社員と社員証の関係など
- 1対多(One-to-Many):部門と社員の関係など
- 多対多(Many-to-Many):学生と授業の関係など
ER図の作成方法とポイント
エンティティとリレーションを視覚的に表現するために、ER図(Entity-Relationship Diagram)を作成します。ER図は概念設計の成果物として非常に重要であり、関係者間の認識合わせにも役立ちます。
- ER図の基本表記法
- エンティティ:四角形で表現
- リレーション:線または菱形で表現
- 属性:楕円または属性リストで表現
- 主キー:下線や特別な表記で強調
- 多重度:1、N、M などの記号や「鳥の足」表記で示す
- 代表的なER図の表記法
- IE(Information Engineering)表記法
- Chen表記法
- IDEF1X表記法
- UML(統一モデリング言語)のクラス図
ER図を作成する際の重要なポイントは以下の通りです。
- 適切な粒度でエンティティを定義する
- 細かすぎるとエンティティ数が増えて複雑になる
- 大きすぎると情報が混在し、後の正規化が困難になる
- 業務ルールを正確に反映する
- 業務上の制約条件をリレーションに反映させる
- 例:「一人の顧客は複数の注文ができるが、一つの注文は一人の顧客にのみ紐づく」
- 主キー・外部キーを明確にする
- 各エンティティの一意性を担保する識別子(主キー)を設定
- リレーションを実現するための参照キー(外部キー)を検討
- 多対多のリレーションを適切に処理する
- 多対多の関係は、中間エンティティ(連結エンティティ)を導入して分解する
- 例:「学生」と「講義」の多対多関係は「履修」エンティティを介して表現

業務要件からデータ要件への落とし込み
概念設計では、業務要件を正確にデータ要件へと変換することが求められます。この過程は、「業務の言葉」から「データの言葉」への翻訳作業とも言えます。
- 業務要件の収集と分析
- 業務フローの理解(業務フロー図の作成)
- ステークホルダーへのインタビュー
- 既存システムやドキュメントの分析
- データの流れとストックの確認
- データ要件への変換プロセス
- 業務で扱うオブジェクトをエンティティとして定義
- オブジェクトの特性を属性として定義
- 業務ルールをリレーションとして定義
- データの操作要件(CRUD)を明確化
例えば、「顧客が商品を注文し、注文は複数の商品を含むことができる」という業務要件は、以下のようにデータ要件に変換されます:
業務要件 | データ要件 |
---|---|
顧客情報の管理 | 「顧客」エンティティの作成(属性:顧客ID、氏名、連絡先、住所など) |
商品情報の管理 | 「商品」エンティティの作成(属性:商品ID、名称、価格、在庫数など) |
注文処理 | 「注文」エンティティの作成(属性:注文ID、注文日、合計金額など) |
一つの注文は一人の顧客が行う | 「顧客」と「注文」の間に1対多のリレーション設定 |
注文には複数の商品が含まれる | 「注文」と「商品」の間に多対多のリレーション→「注文明細」中間エンティティの作成 |
このような変換プロセスを通じて、業務の実態を正確に反映したデータモデルを構築することができます。
データベース概念設計の実践例
実際のシステム開発における概念設計の具体例を見ていきましょう。これらの例を参考に、自分のプロジェクトでの概念設計に役立ててください。
顧客管理システムの概念設計例

顧客管理システムは、多くの企業で必要とされる基本的なシステムです。顧客情報の管理から、商談、問い合わせ、サポート履歴などを一元管理するシステムの概念設計を見ていきましょう。
主要エンティティ:
- 顧客(Customer)
- 属性:顧客ID、会社名、業種、住所、電話番号、メールアドレス、担当者名、取引開始日
- 主キー:顧客ID
- 担当者(Employee)
- 属性:社員ID、氏名、部署、役職、連絡先、入社日
- 主キー:社員ID
- 商談(Opportunity)
- 属性:商談ID、タイトル、内容、見込み額、確度、開始日、予定終了日、実際終了日、状態
- 主キー:商談ID
- 問い合わせ(Inquiry)
- 属性:問合せID、タイトル、内容、受付日時、対応状況、対応完了日時
- 主キー:問合せID
- 活動履歴(Activity)
- 属性:活動ID、活動種別、内容、日時、場所、結果
- 主キー:活動ID
主要リレーション
- 「顧客」と「担当者」の関係:多対多(中間エンティティ「顧客担当」を配置)
- 「顧客」と「商談」の関係:1対多(1人の顧客に対して複数の商談がある)
- 「顧客」と「問い合わせ」の関係:1対多(1人の顧客から複数の問い合わせがある)
- 「商談」と「活動履歴」の関係:1対多(1つの商談に対して複数の活動がある)
- 「担当者」と「活動履歴」の関係:1対多(1人の担当者が複数の活動を行う)
ECサイトの商品管理の概念設計例

ECサイト(電子商取引サイト)の商品管理システムでは、商品情報、在庫管理、カテゴリ分類、注文処理などの機能が必要です。以下に、ECサイトの商品管理における概念設計の例を示します。
主要エンティティ:
- 商品(Product)
- 属性:商品ID、商品名、説明、価格、重量、サイズ、画像URL、公開フラグ、登録日、更新日
- 主キー:商品ID
- カテゴリ(Category)
- 属性:カテゴリID、カテゴリ名、親カテゴリID、階層レベル、表示順、説明
- 主キー:カテゴリID
- 在庫(Inventory)
- 属性:在庫ID、商品ID、在庫数量、倉庫ID、最終更新日時
- 主キー:在庫ID
- 注文(Order)
- 属性:注文ID、顧客ID、注文日時、合計金額、支払方法、配送方法、注文状態
- 主キー:注文ID
- 注文明細(OrderDetail)
- 属性:明細ID、注文ID、商品ID、数量、単価、小計
- 主キー:明細ID
- 顧客(Customer)
- 属性:顧客ID、氏名、メールアドレス、パスワード、電話番号、登録日
- 主キー:顧客ID
主要リレーション:
- 「商品」と「カテゴリ」の関係:多対多(中間エンティティ「商品カテゴリ」を配置)
- 「商品」と「在庫」の関係:1対多(1つの商品に対して複数の在庫レコード[倉庫別]がある)
- 「顧客」と「注文」の関係:1対多(1人の顧客が複数の注文を行う)
- 「注文」と「注文明細」の関係:1対多(1つの注文に複数の商品が含まれる)
- 「商品」と「注文明細」の関係:1対多(1つの商品が複数の注文明細に含まれる)
このER図を基に、ECサイトの商品管理における主要な業務機能(商品登録・編集、在庫管理、カテゴリ管理、注文処理など)をデータベースで実現できます。商品とカテゴリの多対多の関係により、一つの商品が複数のカテゴリに属することが可能になり、顧客は様々な切り口から商品を探せるようになります。
データベース概念設計を成功させるためのポイント
データベース概念設計は、システム開発の成否を左右する重要なプロセスです。以下のポイントを押さえることで、より効果的で将来性のある概念設計を実現できます。
将来の拡張性を考慮した設計
システムは常に変化・成長するものです。現在の要件だけでなく、将来的な拡張性を考慮した設計が重要です。
- 柔軟なエンティティ設計
- 新たな属性が追加される可能性を考慮した設計
- 共通要素を持つエンティティの抽象化(継承関係の導入)
- データの種類や状態によって分類する属性の導入
- 将来的なビジネス拡大への対応
- 国際化対応(多言語、多通貨、タイムゾーンなど)
- マルチテナント対応(複数組織でのデータ分離)
- データ量の増加に耐えうる構造
- 具体的な拡張性考慮の例
- 「顧客」エンティティに「顧客種別」属性を設けて、個人顧客と法人顧客を区別可能に
- 「商品」エンティティに「商品タイプ」属性を設けて、物理商品とデジタル商品の区別を可能に
- 「支払方法」エンティティを別途設けて、将来的な支払方法の追加に対応
「良いデータベース設計とは、現在の要件を満たすだけでなく、予測可能な将来の変化にも柔軟に対応できるものです。過度に特化した設計は、短期的には効率的でも長期的には制約となることがあります。」
関係者との認識合わせの重要性
データベース設計は技術的な作業であると同時に、ビジネス要件を正確に反映するためのコミュニケーションプロセスでもあります。
- 多様なステークホルダーの参画
- 業務担当者:実際の業務知識と要件の提供
- システム利用者:ユーザビリティの観点からの意見
- 経営層:ビジネス戦略との整合性確認
- IT部門:技術的な実現可能性の検証
- 効果的なコミュニケーション手法
- ER図を用いたビジュアルなプレゼンテーション
- 業務フローとデータモデルの対応関係の説明
- プロトタイプを活用した要件確認
- 定期的なレビューミーティングの実施
- 認識のずれを防ぐためのポイント
- 業務用語と技術用語の対応表(用語集)の作成
- 具体的な業務シナリオに基づくデータモデルの検証
- 設計ドキュメントの共有と承認プロセスの確立
特に注意すべきは、技術者と業務担当者の間で用語や概念の解釈にずれが生じやすい点です。例えば、「顧客」という用語一つをとっても、営業部門では「商談中の見込み客も含む」と考えるかもしれませんが、経理部門では「実際に契約した取引先のみ」と解釈するかもしれません。こうした認識のずれを早期に発見し、統一した定義を確立することが重要です。
ツールを活用した効率的な設計

データベース概念設計を効率的に進めるためには、適切なツールの活用が欠かせません。現在は多様なデータベース設計ツールが利用可能です。
- 代表的なデータベース設計ツール
- Lucidchart - クラウドベースの図表作成ツールでER図作成に対応
- draw.io(Diagrams.net) - 無料で使えるオープンソースの図表作成ツール
- MySQL Workbench - MySQLデータベースの設計・管理ツール
- Oracle SQL Developer Data Modeler - Oracleが提供するデータモデリングツール
- ERMaster - Eclipseプラグインとして利用できるER図作成ツール
- ツール選択のポイント
- チーム内での共有・コラボレーション機能
- 論理モデルから物理モデルへの変換機能
- DDL(データ定義言語)の自動生成機能
- リバースエンジニアリング機能(既存DBからのモデル抽出)
- バージョン管理との連携
- ツール活用のベストプラクティス
- プロジェクト開始時に設計標準(表記法やルール)を決定
- 一貫した命名規則の適用(エンティティ名、属性名など)
- ドキュメントと図の同期を保つための運用ルールの確立
- 設計変更の履歴管理とトレーサビリティの確保
ツールの機能を最大限に活用することで、概念設計の品質向上と作業効率化が実現できます。特に、チームで設計を進める場合は、共有・コラボレーション機能が充実したツールを選ぶことが重要です。
概念設計後のステップ:論理設計と物理設計
概念設計が完了したら、次のステップとして論理設計、物理設計へと進みます。これらの工程を通じて、概念モデルは実際のデータベースシステムへと具体化されていきます。
論理設計へのスムーズな移行方法

概念設計から論理設計への移行は、ビジネス視点からより技術的な視点へと焦点を移す過程です。以下のステップで進めると効率的です。
- エンティティからテーブルへの変換
- 概念モデルの各エンティティを論理モデルのテーブルに変換
- 表記法の違いを調整(例:エンティティ「顧客」→テーブル「customers」)
- 属性からカラムへの変換
- 各属性を適切なデータ型を持つカラムに変換
- カラム名の命名規則の適用(例:キャメルケース、スネークケースなど)
- リレーションの実装方法の決定
- 1対多のリレーション:外部キーの設定
- 多対多のリレーション:中間テーブルの作成
- 1対1のリレーション:外部キーまたはテーブル統合の検討
- 正規化の実施
- 第1正規形(1NF):属性の原子性の確保
- 第2正規形(2NF):部分関数従属の排除
- 第3正規形(3NF):推移関数従属の排除
- 必要に応じてボイスコッド正規形(BCNF)や第4正規形(4NF)も検討
- 制約条件の定義
- 主キー制約(PRIMARY KEY)
- 外部キー制約(FOREIGN KEY)
- 一意性制約(UNIQUE)
- NOT NULL制約
- CHECK制約(値の範囲や形式の検証)
論理設計では、データの整合性と冗長性の排除を目指し、正規化を適切に行うことが重要です。ただし、過度な正規化はパフォーマンスの低下を招く可能性もあるため、システムの要件や利用パターンを考慮して適切なレベルで正規化を行うことが求められます。
物理設計でのパフォーマンス最適化
論理設計が完了したら、最後のステップとして物理設計を行います。物理設計では、実際のDBMSの特性を考慮し、パフォーマンスや運用効率を最適化することが目的です。
- DBMSの選定と特性の把握
- システム要件に適したDBMSの選択(MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Server、MongoDB等)
- 選定したDBMSの特性と制約の理解
- サポートされているデータ型や機能の確認
- テーブル設計の最適化
- 適切なデータ型の選択(INTEGER vs BIGINT、VARCHAR vs TEXT等)
- パーティショニングの検討(データ量が多い場合)
- 必要に応じた非正規化(パフォーマンス向上のため)
- インデックス設計
- クエリパターンの分析と必要なインデックスの特定
- 主キー、外部キー以外の検索キーに対するインデックス作成
- 複合インデックスの検討
- インデックスのオーバーヘッドと効果のバランス評価
- その他の最適化ポイント
- ストレージ設定(テーブルスペース、ファイルグループ等)
- キャッシュ戦略の検討
- クエリのパフォーマンスチューニング
- バックアップ・リカバリ戦略の策定
物理設計においては、システムの非機能要件(性能、可用性、拡張性など)を満たすための技術的な選択が重要になります。特に大規模なシステムや高いトランザクション処理が必要なシステムでは、パフォーマンスチューニングが不可欠です。
「物理設計では、論理的な正確さだけでなく、実運用におけるパフォーマンスや保守性も考慮する必要があります。時には理論的な美しさよりも実用性を優先する判断も重要です。」
データベース概念設計の重要性と次のステップ
データベース設計、特に概念設計はシステム開発の成否を左右する重要なプロセスです。本記事では、データベース概念設計の基本から実践ポイントまでを解説してきました。
概念設計の重要ポイント再確認:
- 業務要件を正確に理解し、データモデルに反映することが最も重要
- エンティティとリレーションの適切な定義がデータベースの基盤となる
- ER図を活用して関係者間で認識を合わせることが成功の鍵
- 将来の拡張性を考慮した柔軟な設計を心がける
- 設計ツールを効果的に活用し、効率的に作業を進める
データベース設計プロセスの全体像:
- 概念設計:業務要件の分析とデータモデルの構築
- 論理設計:テーブル構造の定義と正規化
- 物理設計:具体的なDBMS環境での最適化
- 実装:DDLの作成とデータベースの構築
- 運用・保守:パフォーマンスモニタリングと継続的な改善
データベース設計は一度完了して終わりではなく、システムの成長や業務の変化に合わせて継続的に見直し、改善していくものです。適切な概念設計の基盤があれば、そのような変化にも柔軟に対応できるシステムを構築することができます。
最後に、データベース設計において最も重要なのは、技術的な側面だけでなく、実際の業務プロセスとユーザーのニーズを深く理解することです。エンジニアとビジネス担当者が密にコミュニケーションを取りながら、共に最適なデータモデルを構築していくことが、成功への近道となります。
今回紹介した概念設計の基本と実践ポイントを活用して、ぜひ効果的なデータベース設計に取り組んでみてください。適切に設計されたデータベースは、システムの安定稼働と将来的な発展に大きく貢献します。