Python基礎(2) ~Pythonの基本的な構文~

Pythonはシンプルで強力なプログラミング言語として、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層に使われています。

この講座では、Pythonプログラミングの基本的な構文や機能を学び、実際に使ってみる方法を紹介します。

ここで取り上げるのは、プログラミングの基本的な要素であり、これらを理解することで、より複雑なプログラムを作成できるようになります。

1. Pythonでプログラミングをしよう

1-1 print: 出力してみよう

print()は、画面に文字や数値を表示するための関数です。

まずは、シンプルにPythonで文字を出力してみましょう。

print("Hello, World!")

このコードを実行すると、画面に「Hello, World!」と表示されます。

print()関数は、プログラムの結果や変数の内容を確認するのに便利です。

実際の現場ではエラーを探したりする際に重宝します。

1-2 変数: 値を保存する

変数は、データを保存して再利用するために使います。

変数に値を代入するには、=(イコール)を使います。

x = 5
y = "Python"
print(x)
print(y)

この場合、xには数値の5が、yには文字列の”Python”が代入されます。

変数に保存したデータは後から簡単に参照できるため、効率的なコード作成に役立ちます。

1-3 型: データの種類

Pythonには様々なデータ型があります。

最も一般的な型を紹介します。

整数型(int): 整数を扱う型

浮動小数点型(float): 小数を含む数値を扱う型

文字列型(str): 文字やテキストを扱う型

ブール型(bool): 真(True)か偽(False)を扱う型

a = 10      # 整数型
b = 3.14    # 浮動小数点型
c = "Hello" # 文字列型
d = True    # ブール型

1-4 型変換: データの型を変える

型変換を行うことで、異なる型のデータを操作できるようになります。

例えば、数値を文字列に変換する場合はstr()を使います。

x = 10
y = "は数字です"
print(str(x) + y)

ここでは、整数のxを文字列に変換して、文字列yと連結しています。

1-5 文字連結: 文字列をつなげる

文字列同士を連結するには+演算子を使います。

greeting = "こんにちは"
name = "Python"
message = greeting + "、" + name + "!"
print(message)

このコードでは、「こんにちは、Python!」というメッセージが表示されます。+を使って文字列を簡単に連結できます。

1-6 比較演算子: 値を比較する

比較演算子を使って、値同士を比較できます。結果はTrueまたはFalseで返されます。主な比較演算子は以下の通りです。

  • == : 等しい
  • != : 等しくない
  • >  : より大きい
  • <  : より小さい
  • >= : 以上
  • <= : 以下
a = 10
b = 20
print(a == b)  # False
print(a < b)   # True

2-7 if文: 条件に応じて処理を分ける

if文は、プログラムが特定の条件に基づいて異なる処理を実行するための基本的な構文です。

条件がTrueの場合にのみ指定された処理を実行し、条件がFalseであればスキップします。

基本のif文

まずは、if文の基本形を見てみましょう。

x = 10
if x > 5:
    print("xは5より大きい")

このコードでは、xが5より大きい場合に「xは5より大きい」というメッセージが表示されます。

もしxが5以下の場合、このブロックは実行されません。

else: 条件に当てはまらなかった場合の処理

if文では条件がFalseだった場合の処理も指定できます。

elseを使うことで、条件が満たされなかったときに実行するコードを追加できます。

x = 3
if x > 5:
    print("xは5より大きい")
else:
    print("xは5以下です")

この例では、xが5以下なので「xは5以下です」と表示されます。

elseは、すべてのif条件がFalseになったときの「最後の手段」として使います。

elif: 複数の条件を試す

elifは「else if」の略で、複数の条件をチェックする際に使います。

最初のif条件がFalseだった場合、次の条件をチェックします。

x = 7
if x > 10:
    print("xは10より大きい")
elif x > 5:
    print("xは5より大きいが10以下です")
else:
    print("xは5以下です")

この場合、xは7なので「xは5より大きいが10以下です」というメッセージが表示されます。

elifを使うと、複数の条件をスムーズに処理できます。

break: ループを途中で終了する

if文はループ内でも使えますが、特定の条件が満たされた場合にループを途中で終了したいときに使うのがbreakです。

for i in range(10):
    if i == 5:
        break
    print(i)

この例では、iが2のときだけスキップし、それ以外の数字(0, 1, 3, 4)が表示されます。continueを使うと、不要な処理を回避し、効率を高めることができます。

if文のネスト(入れ子構造)

if文は、他のif文の内部に配置することもできます。

これをネストと呼びます。複雑な条件分岐を扱う際に便利です。

x = 15
if x > 10:
    print("xは10より大きい")
    if x > 20:
        print("xは20より大きい")
    else:
        print("xは10より大きいが20以下です")

この場合、xは10より大きく、20以下なので「xは10より大きい」と「xは10より大きいが20以下です」というメッセージが表示されます。

2-8 for文: 繰り返し処理を行う

for文は、リストやタプル、文字列などの反復可能なオブジェクトに対して繰り返し処理を行うための構文です。

Pythonでは、for文を使って簡単にループ処理ができます。

まずは基本的なfor文の使い方を紹介します。

基本的なfor文の使い方

fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
for fruit in fruits:
    print(fruit)

このコードでは、リストfruits内の各要素が順番に取り出され、fruitに代入されて表示されます。

for文はこのように、リストや文字列などの反復可能なオブジェクトを1つずつ処理するために使います。

range(): 数値の範囲を繰り返す

for文では、range()関数を使って指定した範囲の数値を繰り返すことができます。

例えば、0から指定した数値未満までの範囲をループさせる場合、次のように書きます。

for i in range(5):
    print(i)

このコードは、0, 1, 2, 3, 4を順に表示します。

range()は、以下のように開始値、終了値、ステップ数を指定することもできます。

for i in range(2, 10, 2):
    print(i)

ここでは、2から10未満まで2ずつ増加し、2, 4, 6, 8が表示されます。

リスト内包表記: シンプルで効率的なループ処理

リスト内包表記(リストコンプリヘンション)は、for文を使ったループを1行で記述できるシンプルで効率的な方法です。

これにより、リストの生成や処理が簡単に行えます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
squared_numbers = [x**2 for x in numbers]
print(squared_numbers)

この例では、numbersリストの各要素を2乗して新しいリストsquared_numbersを作成しています。

リスト内包表記を使うと、コードが読みやすく短くなります。

ネストしたfor文: 複雑な繰り返し処理

for文の中に別のfor文をネスト(入れ子構造)して使うこともできます。

これにより、複雑なデータ構造や多次元配列に対してループ処理が可能です。

matrix = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
for row in matrix:
    for value in row:
        print(value, end=" ")
    print()

このコードは2次元リストmatrixの各要素を順番に表示します。

結果は次のようになります。

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9

2-9 while文: 条件が真の間繰り返す

while文は、指定した条件がTrueである間、ループ処理を続けるために使います。

条件が満たされなくなるとループは終了します。

基本的なwhile文の使い方

count = 0
while count < 5:
    print(count)
    count += 1

この例では、countが5未満の間ループが続きます。

ループの中でcountをインクリメントして、条件を満たさなくなるまで繰り返し処理を行います。

結果は0, 1, 2, 3, 4が順に表示されます。

無限ループとその防止

while文を使う際には、ループが永遠に続かないように条件が適切に変化することが重要です。

条件が永遠にTrueであると無限ループになってしまいます。

while True:
    print("無限ループ")
    break  # これでループを強制終了

無限ループを防ぐために、break文を使ってループを強制的に終了させることができます。

continue: 条件を満たしたら次のループへスキップ

while文でもcontinueを使って特定の条件をスキップし、次のループを続けることができます。

count = 0
while count < 5:
    count += 1
    if count == 3:
        continue
    print(count)

このコードではcountが3のときだけスキップされ、1, 2, 4, 5が表示されます。

まとめ

Pythonの基本的な構文を理解することは、より複雑なプログラムを作るための第一歩です。

print()での出力から始まり、変数や型、繰り返し処理などの基本要素を使いこなすことで、Pythonの強力な機能を十分に活用できるようになります。

今回紹介した内容は、プログラミングの基礎として非常に重要ですので、ぜひ実際にコードを書きながら理解を深めていきましょう。

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