AWSを使用して開発を進めるためには、まず開発環境のセットアップが必要です。
この章では、AWSアカウントの作成からAWS Management Consoleの使い方、さらにAWS CLIのインストールと設定について詳しく解説します。
AWSアカウントの作成
AWSを利用するためには、まずAWSアカウントを作成する必要があります。以下の手順でアカウントの作成と初期設定を行います。
• アカウント作成手順:
1. AWS公式サイトにアクセスし、「AWSアカウントを作成」ボタンをクリックします。
2. 必要な情報を入力します(メールアドレス、アカウント名、パスワードなど)。
3. 支払い情報を入力します。AWSは基本的に使用した分だけ課金されるモデルですが、無料利用枠も提供しています。
4. 電話番号を登録し、SMSによる確認コードを入力します。
5. アカウントの種類を選択します(個人またはビジネス)。
6. サービス利用規約に同意し、登録を完了します。
• 初期設定:
• MFA(多要素認証)の設定:
• アカウントのセキュリティを強化するために、MFAを有効にします。Google Authenticatorなどのアプリを使用して、追加の認証ステップを設定します。
• IAMユーザーの作成:
• セキュリティ向上のため、ルートユーザーではなく、IAMユーザーを作成して日常的な操作を行います。
• IAM管理画面から「ユーザーを追加」を選択し、アクセス権限を設定します。
• 請求アラートの設定:
• 予期しない課金を避けるために、請求アラートを設定します。CloudWatchを使用してアラートを設定し、特定の金額に達した場合に通知を受け取ります。
AWS Management Consoleの使い方
AWS Management Consoleは、AWSのサービスを視覚的に管理するためのWebベースのインターフェースです。以下では、コンソールの基本的な使い方とナビゲーションについて解説します。
• コンソールへのログイン:
• AWS Management Consoleにアクセスし、先ほど作成したアカウントでログインします。
• ナビゲーションの基本:
• サービスへのアクセス:
• コンソール画面の上部にある「サービス」メニューから、使用したいサービスを選択できます。
• ダッシュボードのカスタマイズ:
• ホーム画面で頻繁に使用するサービスをお気に入りに追加し、ダッシュボードをカスタマイズします。
• リージョンの選択:
• 画面右上にあるリージョン選択メニューから、デプロイするリージョンを選択します。地理的に近いリージョンを選ぶと、レイテンシーが低くなります。
• 重要なコンソール機能:
• CloudShell:
• コンソールから直接コマンドラインを実行できるCloudShellを利用して、簡単なスクリプトやAWS CLIコマンドを試せます。
• リソースの検索:
• コンソール上部の検索バーを使って、リソースやサービスを迅速に検索できます。
• ドキュメントの参照:
• 各サービスのページにある「ドキュメント」リンクから、サービスに関する詳細なドキュメントを参照できます。
AWS CLIのインストールと設定
AWS CLI(Command Line Interface)は、コマンドラインからAWSサービスを管理するためのツールです。以下の手順でインストールと初期設定を行います。
• AWS CLIのインストール:
• Windows:
1. AWS CLIのダウンロードページにアクセスし、Windows用のインストーラーをダウンロードします。
2. インストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
• macOS:
1. ターミナルを開き、Homebrewを使ってCLIをインストールします。
brew install awscli
• Linux:
1. ターミナルを開き、次のコマンドを実行してインストールします。
sudo apt-get update
sudo apt-get install awscli
• CLIの初期設定:
1. ターミナルで次のコマンドを実行し、CLIを設定します。
aws configure
2. プロンプトに従って、AWSアクセスキーID、シークレットアクセスキー、デフォルトリージョン、出力形式を入力します。
• 動作確認:
• CLIが正しく動作していることを確認するために、以下のコマンドを実行します。
aws s3 ls
• 上記のコマンドでS3バケットの一覧が表示されれば、CLIの設定は完了です。
AWSの開発環境を整えることで、効率的なクラウド開発が可能になります。
これらの手順を丁寧に進めることで、AWSのサービスをスムーズに活用できるようになります。