はじめに
現在のITインフラは、AWSのようなクラウドサービスと、Salesforce・Slack・Google WorkspaceといったSaaSとの連携、そしてオンプレミスとのハイブリッド構成が不可欠となっています。 また、SSOなどの認証基盤の統合により、セキュアかつ効率的なアクセス制御も求められます。
本記事では、以下の3つの要素に焦点を当て、SaaSとAWSの融合によるハイブリッド構成の実践方法を解説します:
- Salesforce / Google Workspace / Slack連携
- オンプレミス統合:AWS Direct ConnectとVPC構成
- Identity Federation(IdP)とのSSO統合
1. Salesforce / Google Workspace / Slack連携
Salesforce × AWS Lambda連携
Salesforceからイベントが発生した際に、AWS Lambdaをトリガーしてデータ処理やS3保存を行う構成が実現可能です。
- Salesforce → AWS EventBridge Partner Event Source(Webhook連携)
- Lambdaが起動 → DynamoDB登録 / S3保存 / SNS通知
構成例イメージ:
# Salesforce → EventBridge → Lambda の簡易図(構成) Salesforce (Apex Triggers) ↓ Webhook EventBridge Partner Event Bus ↓ Lambda (データ処理)
Slack × AWS連携
SlackとAWSは双方向に連携可能です。たとえば:
- AWSからSlackへ通知(例:Budgets超過・CloudWatchアラート)
- Slackからコマンドを発行 → Lambda/API Gateway → AWS操作(チャットOps)
Slack通知例(Budgets連携):
exports.handler = async (event) => { const msg = { text: `🔔 AWS予算アラート: ${JSON.stringify(event.Records[0].Sns.Message)}` }; const options = { hostname: "hooks.slack.com", path: "/services/XXXXX/YYYY/ZZZZ", method: "POST", headers: { "Content-Type": "application/json" } }; const req = https.request(options); req.write(JSON.stringify(msg)); req.end(); };
Google Workspace 連携
Google Workspace(旧 G Suite)とAWSは、主に以下の用途で連携します:
- メール通知:Amazon SES → Gmail
- Drive API連携:LambdaからGoogle Driveへファイル出力
- カレンダー統合:CloudWatchイベントと連携
これらにより、クラウド+SaaSを横断した業務自動化が実現可能になります。
2. AWS Direct Connectとオンプレ環境の統合
Direct Connectとは
AWSとオンプレミス間を専用線で接続するサービスで、安定した通信品質・セキュリティを担保できます。VPN接続よりも低遅延・高スループットです。
ユースケース:
- 基幹システムとクラウドの安全な接続
- オンプレADとAWS Directory Serviceの統合
- S3やRDSへのバックアップ/アーカイブ連携
VPC構成のポイント
Direct Connectを使う場合でも、以下のVPC設計が重要です:
- 専用のサブネット(Private Subnet)を設ける
- セキュリティグループとNACLでの明示的な許可
- オンプレIPレンジとのルートテーブル構成
Direct Connect Gateway構成例:
オンプレ(192.168.0.0/16) ↓ 専用線 Direct Connect Gateway ↓ Transit Gateway ↓ VPC (10.0.0.0/16)
3. Identity Federationと外部認証基盤の統合(SSO)
AWS IAM Identity Center(旧 AWS SSO)
IAM Identity Centerを使うことで、Microsoft Azure AD や Google Workspace、OktaなどのIdPと統合してSSO(シングルサインオン)を実現できます。
構成の流れ:
- 外部IdP(例:Azure AD)をIAM Identity Centerに連携
- ユーザー属性(Group / Role)をマッピング
- 各AWSアカウント/ロールへアクセス可能に
# SAML Provider登録(例:Azure AD) aws iam create-saml-provider \ --name AzureAD \ --saml-metadata-document file://metadata.xml
Federationのメリット:
- ユーザーIDを外部で一元管理
- パスワードポリシーや2段階認証も外部に準拠
- ログイン・認可の監査が一元化
これにより、ゼロトラストモデルに近づいた堅牢なアクセス管理が可能になります。
まとめ
現代のシステムは、AWS単独では完結せず、SaaS・オンプレ・外部IdPとの連携が不可欠です。 本章で紹介した連携手法を活用することで、より柔軟でセキュアなITアーキテクチャが実現できます。
- SalesforceやSlackなどSaaS連携で業務自動化と通知を効率化
- Direct Connectでオンプレ統合、レイテンシ・セキュリティを強化
- SSOで認証統合、ユーザー管理と監査を一本化